鉄道トレンドに関する研究や調査を行う機関「鉄道トレンド総研」は、306人の男女を対象に「新幹線や特急でイラッとしたこと」について調査しました。比較的長距離の移動となる新幹線や特急列車内で、不快な思いをした経験の有無を聞きました。
調査概要
調査対象者:全国/男女/10~70代
調査期間:2025年8月3日~5日
サンプル数:306人
調査方法:インターネット調査
TOPICS
- 新幹線や特急でイラッとしたことが「ある」と回答した人は49.7%だった。
- 一方で、「ない」と回答した人も50.3%と、ほぼ半数に分かれる結果となった。
- 「ある」と回答した人は、その理由として「騒音」「座席トラブル」「におい」といったキーワードを挙げた。
「ある」と「ない」がほぼ半々。イラッと経験者は49.7%
新幹線や特急列車は、通勤通学の電車と比べて乗車時間が長く、比較的料金も高いため、快適な空間が期待される。しかし、他人の行動で不快な思いをすることもあるようだ。
そこで今回は「新幹線や特急でイラッとしたことはありますか?」という調査を行った。「ある」と回答した人は49.7%と、およそ半数だった。一方で、「ない」と回答した人も50.3%と、ほぼ同数という結果になった。
イラッとした理由「騒音」「座席トラブル」「におい」
「ある」と回答した人に、具体的な状況を聞いた。コメントを分析すると、主に「騒音」「座席トラブル」「におい」という3つのキーワードが浮かび上がってきた。
「子連れのお母さんが、子供が騒いでいるのに注意しなかった。長時間乗らなくてはいけないのに、その間、子供の騒いでいる声を聞くのは苦痛だった」(女性/愛知県/30代)
「新幹線で動画視聴。イヤホン無しで大音量で音楽を流していた」(女性/東京都/30代)
「予約した座席に荷物を置かれていた時」(男性/東京都/30代)
「隣の席の人が、靴を脱いでいて、嫌な臭いがしたこと」(女性/愛媛県/40代)
「新幹線で飲酒している乗客がイカの燻製をつまみにしていたのですが、車内にイカの匂いが充満していて率直にイラッとした」(男性/東京都/40代)
ほかにも「指定席に他人が座っていた」「リクライニングを一言もなく倒された」など、座席に関する不満が多く見られた。
「ない」と回答した人も50.3%
続いて、「ない」と回答した人のコメントを紹介する。
「新幹線に乗っている人たちはマナーがいいと思う」(男性/愛知県/30代)
「そもそも新幹線や特急に乗る機会が少ないため」(女性/三重県/30代)
「利用頻度が少ない」という理由が多い中、「マナーが良い」と感じている人もいることがわかった。
鉄道トレンド総研所長・東香名子の分析コメント
最近話題になっている乗車マナー。今回は新幹線・特急について聞きました。「イラッとした経験」がある人は、ちょうど半数の49.7%。前回調査の「通勤電車で91.8%がイラッとした経験あり」と比べると低い水準です。長距離列車は通常よりお金を払う分、ある程度快適さが保たれていることがわかります。
とはいえ、半分近くの人が「ある」と答えているのは見過ごせない問題です。キーワードのひとつである「騒音」は、通勤電車でも不満が溜まりやすいポイントでした。「座席トラブル」は、指定席の設定がある新幹線・特急列車ならではの問題。お金を出して「快適な時間」を買っているのに、勝手に荷物を置かれたり、指定席に別の人が座るなどの事象は、乗ってすぐに「うんざり」してしまいます。列車は狭い空間なので、強い「匂い」に関する不満が目立つのも納得です。移動時間が長いからこそ、食事も一つの楽しみですが、周りへの配慮を忘れずにいきたいところです。
普段の通勤電車よりも料金が高い新幹線や特急。だからこそ、より快適な時間を求める人は多いものです。各自ルールを守りながら、ちょっとした気遣いを積み重ねることで、平和な車内がつくられていくのだと思います。