鉄道トレンドに関する研究や調査を行う機関「鉄道トレンド総研」は、258人の男女を対象に調査を実施しました。「東京の顔」として人気のJR山手線について、日本人はどんな印象をもっているのか。山手線についての思い出やエピソードを聞きました。
調査概要
調査対象者 :全国/男女/20~60代
調査期間 :2021年11月25~11月26日
サンプル数 :258人
調査方法 :インターネット調査
TOPICS
- 山手線の「内回り・外回り」が分かりづらいという回答が目立つ
- 初めて乗った時「これが東京の山手線か」「駅間の距離が短くて衝撃」
- 大阪環状線との比較について言及する人が複数「ファッションが違う」
- 12.5%が「山手線を一周以上したことがある」と回答
困惑や感動!みんなに聞いた山手線のエピソード
今回は「JR山手線にまつわるエピソードがあれば教えてください」と思い出を聞いた。
「内回りと外回りでいつも迷う」(神奈川県/40代/女性)、「逆方向に乗ってしまった」(北海道/30代/女性)など、環状線特有の「内回り・外回り」に悩まされる人が多くいた。なかには「逆回りに乗ってしまったが、乗り換えずにそのまま遠回りして目的の駅に行くことが多々ある」(東京都/30代/男性)という人も。
また山手線に初めて乗ったときの感動的なエピソードも集まった。「東京へ遊びに行った時に、これが山手線なんだと感動」(北海道/40代/女性)、「初めて東京を訪れた時に、ずーっと乗っていられると思うほど車窓からの風景に魅了された」(愛知県/40代/女性)、「修学旅行で初めて乗ったとき、駅と駅の感覚が短すぎて衝撃だった」(岩手県/20代/女性)など、山手線は全国から訪れる人の心に刻まれるような印象を与えている。
なかには大阪を走るJR大阪環状線(大阪~天王寺~大阪)との比較もあった。「大阪環状線と比べると、車内が静かな印象がある」(大阪府/30代/男性)、「乗客の方々のファッションの色遣いが関西と違うことを発見。山手線では比較的フォーマルでシックな色を着ている人が多い」(兵庫県/50代/女性)。
12.5%が「山手線を一周以上したことがある」
回答の中には、山手線を一周、ないしそれ以上乗ったことがあるというものが12.5%見られた。
「時間つぶしのために山手線を一周したことがある」(長野県/30代/女性)、「学生の頃、ぐるぐる一周、乗車したことがある」(神奈川県/40代/女性)という声があった。
意外にも多かったのが、疲れていたり、酔っぱらって寝過ごすなどの理由で、山手線に一周以上乗ったという声だ。「仕事で非常に疲れており、一周して眠ったことがあります」(東京都/30代/女性)、「眠ったまま二周した」(東京都/40代/男性)、「新宿で飲んで寝てしまい、ぐるぐる回り続けていた」(埼玉県/30代/男性)。山手線をある種の休憩スポットと見立てる乗客もいることがわかった。
※ご注意
山手線を一周(たとえば東京から内回りで東京まで乗車)する場合、運賃280円が適用されます。二周する場合は560円です。三周以上する場合、東京23区内の電車が乗り放題になる「都区内パス」(760円)がお得です。
鉄道トレンド総研所長・東香名子の分析コメント
首都圏に住んでいる人、それ以外の地域の人に限らず、内回りと外回りを混同する人は多かったのが印象的です。山手線は、一般道路のように左側通行を採用していますので、内回り・外回りを見分けるときの参考にしてみてください。また、駅に設置されるホームドアには緑色のラインが引かれていますが、内回りが1本、外回りが2本の線になっているので、それで見分ける方法もあります。いずれにせよ、目的地までの行き方を間違えないように、余裕を持った行動が求められるでしょう。また、疲労回復や寝過ごしたなどの理由で山手線にずっと乗っている人もいるようです。理由はどうであれ、座席を独占するような迷惑な乗り方や、スリや痴漢などのターゲットにされないように注意が必要です。