鉄道トレンドに関する研究や調査を行う機関「鉄道トレンド総研」は、285人の男女を対象に調査を実施しました。大手私鉄(日本民営鉄道協会に加盟している大手民鉄16社)のうち、どの程度知られているのか知名度調査を行いました。
調査概要
調査対象者 :全国/男女/10~70代
調査期間 :2022年3月5日~3月6日
サンプル数 :285人
調査方法 :インターネット調査
TOPICS
- 大手私鉄の中で、もっとも知名度が高いのは「小田急」(83.9%)となった。次いで「東京メトロ」(83.2%)、「西武」(73.3%)と続いた。
- 大手私鉄の中で、もっとも知名度が低いのは「相鉄」(33.3%)となった。次いで「西鉄」(42.8%)、「南海」(48.8%)と続いた。
- 大手私鉄すべての会社を知っている人の割合は17.2%と、2割弱の人にとどまった。
あなたが知っている大手私鉄はどれですか
「次の大手私鉄のうち、あなたが知っている(見たこと・聞いたことがある)鉄道会社をすべて選んでください。(複数選択可)」という質問に対し、知名度1位で最も多く回答があったのは「小田急(小田急電鉄株式会社)」で、83.9%の人が「知っている」と答えた。東京都新宿区に本社を置く小田急は、新宿(東京都)を起点に小田原(神奈川県)までを結ぶ小田原線、湘南エリアに至る江ノ島線などを運営。都心から箱根エリアへ乗客を運ぶ特急ロマンスカーも人気だ。
知名度2位となったのは、「東京メトロ(東京地下鉄株式会社)」で、83.2%の人が「知っている」と回答した。東京都台東区に本社を置く東京メトロは、銀座線、日比谷線などの地下鉄を9路線運営する。東京の地下に網目のように張り巡らされ、都内移動になくてはならない路線を鉄道会社が2位となった。
知名度3位となったのは、「西武(西武鉄道株式会社)」で、73.7%の人が「知っている」と回答した。埼玉県所沢市に本社を置く西武は、池袋(東京都)から飯能(埼玉県)を経て吾野(埼玉県)を結ぶ池袋線や、西武新宿(東京都)から本川越(埼玉県)を結ぶ新宿線などを運営。グッドデザイン賞を受賞した新型特急「Laview(ラビュー)」は女性や子どもからも人気がある。
知名度4位は「近鉄(近畿日本鉄道株式会社)」と「阪急(阪急電鉄株式会社)」で73.0%、6位は「東武(東武鉄道株式会社)」で70.9%、7位は「東急(東急電鉄株式会社)」で70.5%、8位は「京王(京王電鉄株式会社)」で67.4%、9位は阪神(阪神電気鉄道株式会社)で62.1%、10位は「京急(京浜急行電鉄株式会社)」で 60.4%となった。以上が知名度トップ10となる。
続いて11位は「名鉄(名古屋鉄道株式会社)で59.3%、12位は「京阪(京阪電気鉄道株式会社)」で52.3%、13位は「京成(京成電鉄株式会社)」で50.5%、14位は「南海(南海電気鉄道株式会社)」で48.8%、15位は「西鉄(西日本鉄道株式会社)」で42.8%。最も知名度が低かったのは、「相鉄(相模鉄道株式会社)」33.3%という結果となった。
すべての大手私鉄を知っている人は2割弱
大手私鉄16社をすべて知っているとした人は17.2%で、2割弱にとどまった。
鉄道トレンド総研所長・東香名子の分析コメント
知名度1位を誇る「小田急」は、都内と温泉地・箱根を結ぶ特急ロマンスカーを営業している私鉄。テレビなどメディア露出も多く「乗ってみたい」と憧れの思いを抱く人も多いでしょう。3位には「西武」がランクイン。学生時代を沿線の飯能や所沢で過ごした私にとって、3位に入ったことはとても嬉しく思います! 西日本エリアで知名度トップとなったのは「近鉄」。関西・東海エリアを幅広くカバーし、日本で一番営業キロが長い私鉄です。また同率で関西トップとなったのが「阪急」。大阪梅田駅から神戸、宝塚、京都方面へ走るマルーン色の優雅な列車は、圧倒的な存在感を放っています。残念ながらワースト1となったのは、神奈川県に本社を置く「相鉄」。2019年にはJRとの直通運転を開始し、2023年には東急と直通する予定だけに、今後知名度が上がってくると予想されます。ヨコハマネイビーブルーの色を塗られた新型20000系はクールでカッコよく、駅で見かけるとついついテンションが上がってしまう車両の一つです。
私鉄は、会社それぞれの特色を出している路線も多く、楽しみ方もたくさんあります。旅先で訪れたときは、私鉄に乗って地元の雰囲気を感じるのもおすすめです。