鉄道調査レポート

マナー違反や迷惑行為をする「撮り鉄」、実際に見たことがある人は29.8%

鉄道トレンドに関する研究や調査を行う機関「鉄道トレンド総研」は、302人の男女を対象に「迷惑行為を働く撮り鉄」について調査しました。迷惑行為がしばしばニュースに取り上げられる撮り鉄について、目撃したことがあるかを聞きました。

調査概要

調査対象者 :全国/男女/10~70代
調査期間 :2023年7月23日~24日
サンプル数 :302人
調査方法 :インターネット調査

TOPICS

  • 撮り鉄によるマナー違反や迷惑行為を「見たことがある」と回答した人は29.8%だった。
  • 一方で、撮り鉄によるマナー違反や迷惑行為を「見たことがない」と回答した人は70.2%だった。
  • 寄せられたコメントの多くは「撮り鉄は見たことがあるが、マナーを守っていた」という内容だった。

3割弱の人が、撮り鉄の迷惑行為を見たことがあると判明

鉄道ファンの中でも、鉄道車両を撮影するのが好きなファンは「撮り鉄」と呼ばれています。しかし、ここ最近では撮り鉄によるマナー違反や迷惑行為がニュースで取り沙汰されているのも事実です。

そこで「マナー違反や迷惑行為を働く『撮り鉄』(写真を撮るのが好きな鉄道ファン)を見たことがありますか?」という調査を敢行しました。結果、「見たことがある」と回答したのは29.8%と、3割弱にのぼりました。「見たことがない」と回答した人は70.2%と、多数派となりました。

線路に降りる、奇声を上げるなどの行為……なかには通報する人も

撮り鉄の迷惑行為を「見たことがある」と回答した人は、どんな場面に遭遇したのでしょうか。コメントを紹介します。

「道路とかまで出てくる人、線路に降りる人を見たことがある」(福井県/男性/30代)

「ホームの先端にいたが白線の外に乗り出したり、たまに奇声を上げていた」(愛知県/男性/30代)

見かけるだけでなく、文句を言われた経験のある人もいました。

「沿線に珍しい観光列車が運行していたり、最寄りの駅舎が撮影スポットになっているので、撮り鉄が撮影しているのをよく見かけます。普通に利用しているだけなのに、カメラの撮影に邪魔になると文句を言われたことがあります」(大分県 男性 40代)

迷惑行為を目の当たりにし、実際に行動に移した人もいるようです。

「しょっちゅう線路内などに入り込んでいて、何度か通報したことがある」(三重県/女性/40代)

撮り鉄は見たことがあるけど、マナーを守っていた

続いて、多数派である「見たことがない」と回答した人のコメントを紹介します。

「ホームで撮り鉄を見たことは何度かありますが、特にマナー違反や迷惑行為をしている認識はありませんでした。皆さん熱心に入ってくる電車を撮影していましたが、全く不快に感じたことはありません」(兵庫県/男性/40代)

「新幹線のホームで撮り鉄はよく見かけるけど、みんなマナーを守って撮っている」(静岡県/女性/30代)

「撮り鉄はいますが、マナー違反や迷惑行為しているのは見たことがないです。ニュースになるほどのマナー違反は、未だ見たことがありません」(神奈川県/男性/40代)

「昔退役車両だったものが臨時編成で復活した車両にたまたま乗車しました。たくさんの撮り鉄と思われる方が席に着き、写真を撮っていましたが、そこまで不快感を抱かなかった。モラルのある方々だったのだと思っています」(大分県/男性/40代)

ほかにも撮り鉄自体は見たことがあるものの、マナー違反をする人は見たことがないという人が多くいました。

鉄道トレンド総研所長・東香名子の分析コメント

ここ最近、ニュースで「撮り鉄」の迷惑行為が大きく取り上げられるようになりました。駅員や他の乗客とのトラブルとなったり、私有地に無断で入ったり、勝手に木を伐採してしまう人まで、報道される「撮り鉄トラブル」はさまざま。撮り鉄同士が暴言を吐きあう様子を「罵声大会」としてSNSで拡散されることもあります。そんなニュースを目にして、世間の人は「撮り鉄」に対するネガティブなイメージを持つようになりました。

それほどまでに「撮り鉄」はマナー違反を繰り返しているのか。実態を探るために、行った今回調査。迷惑な「撮り鉄」を見たことがあるのは29.8%と、3割に満たないことがわかりました。「撮り鉄は見たことがあるが、マナーを守っている」というコメントも多く寄せられました。

悪いニュースはどうしても目立ってしまい、「撮り鉄は悪いもの」とひとくくりにしてしまいがちです。しかし、実際は、マナーを守って楽しんでいるファンが多数であり、マナー違反を犯している人はほんの一部です。一部の撮り鉄たちの悪行ですべての撮り鉄が悪者にされてしまうのは、とても残念なことです。撮り鉄のみなさんは引き続きマナーを守った活動をしていきましょう。

鉄道トレンド総研について

鉄道トレンド総研は、鉄道トレンド関する研究や調査の実施する調査機関です。鉄道にまつわる市場の現状と未来を分析し、社会へ発信する事を目的として、鉄道コラムニスト・東香名子が立ち上げました。利用客に密着した鉄道トレンドについて多数のジャンルで情報を発信していくことにより、公共交通機関としてだけでなく、エンタメ・カルチャーとしての鉄道を盛り上げ、鉄道業界および社会へ貢献してまいります。

データご利用の際の注意点

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  • 所長・東香名子プロフィール

東 香名子

鉄道コラムニスト。乗り鉄で、国内鉄道15000キロ以上を走破。鉄道トレンドを扱ったコラムを執筆し、文春オンライン、東洋経済オンライン、プレジデントオンライン、現代ビジネスで軒並み閲覧数1位を獲得するなど、女性目線から発信する鉄道記事に支持が集まる。山手線に詳しいライターとしてフジテレビ『クイズ99人の壁』などに出演するなど、各メディアで活躍。著書に『超Webライティング大全』『100倍クリックされる超Webライティング』シリーズ。

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