鉄道トレンドに関する研究や調査を行う機関「鉄道トレンド総研」は、306人の男女を対象に「電車における外国人観光客のマナー」について調査。駅や電車内でマナーの悪い外国人を見かけた経験の有無を聞いた。
調査概要
調査対象者:全国/男女/10~70代
調査期間:2025年8月3日~5日
サンプル数:306人
調査方法:インターネット調査
TOPICS
- 駅や新幹線、電車の中でマナーの悪い外国人を見かけたことが「ある」と回答した人は62.4%だった。
- 一方で、「ない」と回答した人は37.6%だった。
- 「ある」と回答した人は、理由として「大声」「荷物」「割り込み」といったキーワードを挙げた。
マナーの悪い外国人「見たことがある」と回答した人は62.4%
近年、インバウンド需要の増加に伴い、駅や電車内で外国人観光客を見かける機会が増えている。彼らのマナーについて、ときどき疑問に思う人がいるようだ。
そこで今回は「駅や新幹線、電車の中で、マナーの悪い外国人を見かけたことはありますか?」という調査を行った。すると、「ある」と回答した人は62.4%と、6割を超える人がマナーの悪さを感じた経験があることがわかった。一方で、「ない」と回答した人は37.6%と、少数派だった。
マナーが悪いと感じる理由「声が大きい」「荷物が邪魔」
「ある」と回答した人に、具体的な状況を聞いた。コメントから抽出されたキーワードは、「大声」「荷物」「割り込み」「場所の占有」の4つだった。
「旅行者と思しき外国人2人がかなりの大声でお喋りしていた事。海外では自己主張の強さを考えれば普通かもしれないが、日本ではNG」(女性/愛知県/30代)
「優先座席に荷物置きっぱなしだったり、1人でいくつの席をとっているような状態」(男性/兵庫県/50代)
「電車が到着した時に、並んでいる列を無視して先に電車に乗り込んで行く光景を見かけました。」(男性/大阪府/40代)
「7人掛けの座席を3人くらいで独占して、大声でしゃべっていて迷惑だった」(女性/滋賀県/30代)
他にも、「イヤホンなしで動画を視聴」「車内で電話」「床に座り込む」「飲酒・飲食」といった意見も複数見られた。特に「大声」と「荷物が邪魔」というコメントが多く、周りの乗客への配慮が欠けていると感じる人が多いようだ。
一方で「ない」と回答した人は37.6%
続いて、少数派である「ない」と回答した人のコメントを紹介する。
「皆マナーを守っているから」(男性/神奈川県/60代)
「今まで乗った電車で、マナーの悪い外国人を見たことがありません」(女性/東京都/40代)
「外国の方が、お年寄りや体の不自由な方にすぐに席を譲る場面を何度も目にしたので、マナーに関しては日本人より優れていると感じます」(女性/東京都/50代)
他にも「そもそも外国人を見かける機会がない」「マナーの悪い日本人の方が多い」といった声も挙がった。
鉄道トレンド総研所長・東香名子の分析コメント
外国人観光客の数が年々増えています。電車や駅でも、彼らの姿を見かけることが多くなってきました。しかし文化の違いからか、彼らの行動について「マナー違反では」と疑問を呈する人が増えているのも現実です。そんな背景もあり、今回は外国人のマナーについて調査をしました。すると、半数以上の62.4%の人がマナーの悪い外国人観光客を見かけたと回答。声の大きさや荷物に関するコメントが多く、日本人が特に公共の場では「静かさ」や「空間の共有」を重視していることが改めて浮き彫りになりました。しかし一方で「マナーが良い」という声も少なくありませんでした。
日本人には「言わずとも察する」文化があるのに対し、外国人には「明確なルール」がなければ行動を理解しづらいという文化の違いが背景にあると考えられます。もしマナー違反を見かけたら、どうすればよいか。言葉が通じないから言いづらいと思う人もいるでしょうが、はっきり「すみません」と日本語で声をかけても問題ないと感じます。積極的にコミュニケーションをとっていきましょう。
また、こうした状況に鉄道会社は黙って見ているわけではありません。多言語でのアナウンスやマナー啓発ポスターを設置するなど対策を強化しています。お互いが気持ちよく公共交通機関を利用できるよう、今後も意識を高めていく必要がありますね。