鉄道トレンドに関する研究や調査を行う機関「鉄道トレンド総研」は、302人の男女を対象に調査を実施しました。東京を走る地下鉄が、どの程度知られているのか知名度調査を行いました。
調査概要
調査対象者 :全国/男女/10~70代
調査期間 :2023年7月23日~24日
サンプル数 :302人
調査方法 :インターネット調査
TOPICS
- 大手私鉄の中で、もっとも知名度が高いのは「丸ノ内線」(86.8%)となった。次いで「銀座線」(77.9%)、「日比谷線」(76.6%)と続いた。
- 大手私鉄の中で、もっとも知名度が低いのは「南北線」(45.5%)となった。次いで「三田線」(48.8%)、「副都心線」(50.8%)と続いた。
- 13路線をすべて知っているとした人は36.0%だった。
あなたが知っている東京の地下鉄はどれですか
「東京を走る地下鉄のうち、あなたが知っている(見たこと・聞いたことがある)路線をすべて選んでください。(複数選択可)」という質問に対し、知名度1位で最も多く回答があったのは「丸ノ内線(東京メトロ)」で、86.1%が「知っている」と答えた。池袋(豊島区)から荻窪(杉並区)までを結ぶ本線と、中野坂上(中野区)から方南町(杉並区)までを結ぶ分岐線がある丸ノ内線。東京、銀座、新宿、池袋など、国内外に知名度の高い駅に停まる丸ノ内線が第1位となった。
知名度2位は「銀座線(東京メトロ)」で、77.9%の人が知っていると答えた。浅草(台東区)から渋谷(渋谷区)を結ぶ銀座線は、昭和2年にまずは浅草~上野間から開業した東洋初の地下鉄で、昭和14年には渋谷まで全区間で開業した歴史ある路線。渋谷や銀座、上野、浅草など、東京を代表する観光地を結び、近年は外国人観光客の姿も多い。
第3位は「日比谷線(東京メトロ)」で、76.6%の人が知っていると答えた。北千住(足立区)から中目黒(目黒区)までを結ぶ路線。六本木や銀座、恵比寿、虎ノ門ヒルズなど、流行の発信地に停車し、若者にも人気の高いエリアを通る。北千住からは東武スカイツリーラインおよび同線経由で日光線と直通運転を行っている。
知名度4位は「有楽町線(東京メトロ)」で68.6%、5位は「都営新宿線」で67.7%、6位は半蔵門線(東京メトロ)」で66.0%、7位は「千代田線(東京メトロ)」と同率で「都営大江戸線」で65.7%、9位は「都営浅草線」で61.1%、10位は「東西線(東京メトロ)」で59.4%」だった。以上が知名度トップ10となる。
続く11位は「副都心線(東京メトロ)」で50.8%、12位は「都営三田線」で48.8%、最も知名度が低かった13位は「南北線(東京メトロ」で45.5%という結果となった。
なお、13路線をすべて知っているとした人は36.0%だった。
鉄道トレンド総研所長・東香名子の分析コメント
東京を走る13の地下鉄のうち、路線ごとにどの程度知名度があるのかを調べました。結果、もっとも知名度が高いのは「丸ノ内線」でした。ラインカラーは赤色(スカーレット)で、戦隊ヒーローに例えるなら、センターの赤レンジャーと言ったところでしょう。まさに東京地下鉄のセンターを張るメイン路線です。主要な駅を通るのはもちろん、椎名林檎の楽曲『丸ノ内サディスティック』にも歌われ、全国的に知名度が高いのは納得です。続く2位は銀座線、3位は日比谷線でした。トップ3の路線はすべて銀座に停車駅することも注目すべき点です。トレンドの中心地を走る地下鉄は、その駅周辺がメディアで紹介されることも多く、知名度が上がっていくものだと思われます。
ワースト3は副都心線、三田線、南北線。副都心線は2008年に開通したもっとも新しい地下鉄。それだけに、知名度はまだまだこれからと言ったところでしょうか。三田線、南北線は、どちらも白金高輪、白金台、目黒の駅に停車する路線。落ち着いた住宅地を通るイメージがあり、大衆的なメディアにはそれほど取り上げられないためか、知名度は今一つのようでした。
東京を走るのは個性的な地下鉄ばかり。路線によって、通るエリアも乗客の雰囲気も違います。ここ数年では、新しい車両がデビューした路線も多く、ますます明るいイメージを放ちます。各路線ならではの空気を感じながら、東京の地下鉄を楽しんでみてはいかがでしょうか。