鉄道トレンドに関する研究や調査を行う機関「鉄道トレンド総研」は、285人の男女を対象に「電車内で恐怖を感じた経験」について聞きました。約7割の人が「こわいと思ったことがある」と回答しました。
調査概要
調査対象者 :全国/男女/10~70代
調査期間 :2022年3月5日~3月6日
サンプル数 :285人
調査方法 :インターネット調査
TOPICS
- 電車内で「こわい」と思ったことのある人の割合は、69.1%と、約7割の人が恐怖を感じた経験があるとわかった。
- 「ある」と答えた人に恐怖の対象を聞くと、77.2%の人が「他の乗客」に対して恐怖を抱いていたことがわかった。
- キーワードとしては、「声」に関するもの、「酒」や「酔い」に関するもの、「痴漢」「変質者」が特に多かった。
約7割の人が電車で「こわい」と思ったことがある
「電車内で『こわい』と思ったことはありますか?」という質問に対し、「ある」と回答した人は69.1%、「ない」と回答した人は30.9%となり、ある人が多数派となった。
「ある」と回答した理由は、「暴れている人がいた」(兵庫県/40代/男性)、「電車での犯罪や事件、事故のニュースを見たとき」(東京都/50代/女性)、「酔っ払いに絡まれた」(宮崎県/50代/女性)、「電車の速度が速い時」(東京都/20代/男性)などが集まった。
「ない」と回答した理由は、「電車に乗っている時に、事件や事故に出くわしたことがない」(愛知県/50代/男性)、「通学、通勤と当たり前のように毎日乗っていたから慣れている」(兵庫県/30代/女性)、「日本は比較的安全だから」(東京都/20代/男性)などが集まった。
他の乗客に対して恐怖を感じる人が77.2%
「こわい」と思ったことのある理由を分析していくと、他の乗客に対して恐怖を感じたことのある人が77.2%を占めていた。
さらに、理由に挙げられたもので多かったキーワードを抽出していくと、大声、奇声、怒鳴り声など「声」に関するもの(47ポイント)、「酒」や「酔い」に関するもの(32ポイント)、「痴漢」や「変質者」(28ポイント)となった。
「大声を出している人を見たときに怖いと思いました」(埼玉県/30代/女性)、「酔っぱらいに絡まれた」(東京都/40代/男性)などの声があがった。「痴漢」に関しては、「痴漢にあった」(埼玉県/30代/女性)など被害に遭った人の声だけでなく、「満員電車では、痴漢に間違われそうで怖い」(大阪府/20代/男性)など冤罪を恐れる男性の声もいくつかあった。
続いて「満員」や「混雑」(20ポイント)、「客同士のけんか」(17ポイント)、「事故」(11ポイント)などが挙がった。「田舎から出てきた時、地元にはない満員電車に恐怖を覚えた」(埼玉県/30代/女性)、「近くの席でけんかが始まり、巻き込まれそうになった」(京都府/40代/男性)、「自分が乗っている電車で人身事故が起こった時」(大阪府/40代/男性)などの声があがった。
鉄道トレンド総研所長・東香名子の分析コメント
通勤・通学と、日常生活で切り離すことのできない鉄道。昨今ニュースで取り上げられる事故や事件などで、乗車中に恐怖を感じる人はより増えたように思います。ただ、事故や事件にならなくても、ほかの乗客に対して恐怖を感じている人は案外多いようです。すべての乗客が快適に過ごせるように、ひとりひとりがマナーを守って乗車することが求められます。また鉄道会社も安全で快適な車内環境を実現すべく、アナウンスやポスターの掲出など、努力を続けています。